今回のボトルは生産者とのこれまでの親交の中で、グロペラン社から特別に譲り受けた、貴重なヴァン・ド・リキュールをご紹介致します。
長期熟成のコニャックを使用して作られた、ピノー・デ・シャラントの製法による、オールド・ヴァン・ド・リキュールです。
熟成庫の中で、デュメジャンにて保管されていた4つのボトルの内、3つのダムジャンを今回信濃屋向けに特別にボトリング致しました。(約88リットル=約117 x 75clボトル)
モーリスさんという今は亡き、情熱的な生産者。彼が残した素晴らしいピノデシャラントを是非。
Commented by Guilhem GROSPERRIN
これは、モーリス氏(Maurice Sauzeau)から引き継いだ、非常に古いピノー・デ・シャルンテのカスクです。彼は先日亡くなられましたが、非常に親切で意志の強い情熱的な人でした。
彼は若い時分は「フェルミエ」でした。フランスでは、これは「他人の農場で働いていた」という意味で、自分の農場ではなく他人の農場で働いていたことを指します。その為、彼が自分の畑を持つ事が出来るようになったのは、彼が仕事を引退した後でした。
彼の所有地は、グランシャンパーニュの中の小さな区画で、彼は自分自身で蒸留を行い、彼のコニャックは数が少なく、非常に稀少でした。
今回のカスクはその残された原酒の中の一つで、かなり前のもので、正確にはいつ作られたお酒なのか想い出せません。このピノーはごく少量しかありませんでしたが私が最もお気に入りの一つです。

グロペランブランドを有する「ラ・ガバール社」はフランス西部シャラント・マリティーム県下、シャラント川左岸にあるフランス最古の町のひとつで交通の要地として発達したサントに本社を構える、1992年創業のネゴシアンです。
先代のJean Grosperrin(ジャン・グロペラン)氏は地元シャラントで、コニャックやワインを商社に紹介する生産者との仲介役を担ってきました。
そのビジネスの中で、日々家族経営の小さな蒸留所を訪ね、色々な生産者を商社に紹介していく傍ら、同氏は各セラーで卓越したコニャック原酒が眠っていることに気が付きます。
そうした優良原酒が大手メーカーに買われ、膨大なブレンド用の一原酒として消えていくのを常に目の当たりしており、いつしかそれらを主役として
扱いたいという思いにかきたてられました。
その後ほどなくして、価値を理解してくれる人達にそれらを届けたいという想いから、自ら最良の原酒達を買い付け始め、今あるグロペランの礎が築かれていきます。
その熱い想いは、1992年に良い原酒が集まり満を辞してラ・ガバール社を設立することで実を結び始めます。
1999年には遂に、それらコレクションを販売すべく、「ジャン・グロペラン コニャック コレクション」が誕生。これまで眠っていた素晴らしい原酒が少しずつマーケットに開放され始めたのです。
2004年からは息子のGuilhem Grosperrin(ギレム・グロペラン)氏も合流。先代の意思をしっかり受け継ぎ、今では同ブランドの販売を一手に担っています。
ギレム氏はオールジャンルのスピリッツに精通しており、もの静かな人柄ながら、哲学と信念も持った職人気質に溢れています。
さらには卓越したテイスティング能力と、樽の選定能力を持ち、そのセンスは現地の業界内でもサラブレッドのように光るものを感じさせます。
ブランド自体の歴史は浅いですが、それまでの過程で構築してきたコネクションや経験値が根底を支える、今後の動向も注目される質実剛健のネゴシアンです。