グロペランブランドを有する
「ラ・ガバール社」はフランス西部シャラント・マリティーム県下、シャラント川左岸にあるフランス最古の町のひとつで交通の要地として発達したサントに本社を構える、1992年創業のネゴシアンです。
先代の
Jean Grosperrin(ジャン・グロペラン)氏は地元シャラントで、コニャックやワインを商社に紹介する生産者との仲介役を担ってきました。
そのビジネスの中で、日々家族経営の小さな蒸留所を訪ね、色々な生産者を商社に紹介していく傍ら、同氏は
各セラーで卓越したコニャック原酒が眠っていることに気が付きます。
そうした優良原酒が大手メーカーに買われ、膨大なブレンド用の一原酒として消えていくのを常に目の当たりしており、いつしかそれらを主役として
扱いたいという思いにかきたてられました。
その後ほどなくして、価値を理解してくれる人達にそれらを届けたいという想いから、自ら最良の原酒達を買い付け始め、今あるグロペランの礎が築かれていきます。
その熱い想いは、
1992年に良い原酒が集まり満を辞してラ・ガバール社を設立することで実を結び始めます。
1999年には遂に、それらコレクションを販売すべく、
「ジャン・グロペラン コニャック コレクション」が誕生。これまで眠っていた素晴らしい原酒が少しずつマーケットに開放され始めたのです。
2004年からは息子の
Guilhem Grosperrin(ギョーム・グロペラン)氏も合流。先代の意思をしっかり受け継ぎ、今では同ブランドの販売を一手に担っています。
ギョーム氏はオールジャンルのスピリッツに精通しており、もの静かな人柄ながら、哲学と信念も持った職人気質に溢れています。
さらには卓越したテイスティング能力と、樽の選定能力を持ち、そのセンスは現地の業界内でもサラブレッドのように光るものを感じさせます。
ブランド自体の歴史は浅いですが、それまでの過程で構築してきたコネクションや経験値が根底を支える、今後の動向も注目される質実剛健のネゴシアンです。
240本限定
約40年の時を経て放たれた奇跡的佳酒!
1979年産 オールド ヴァン・ド・リキュール
ピノー・デ・シャラントの製法による珍しいオールド・ヴァン・ド・リキュール。
ボルドリ地域で栽培された1979年産のフレッシュなグレープジュースに、同産地の1978年蒸留のコニャックをブレンドして、400リッターのオーク樽で39年熟成。
MMCとは、Moût(ムート=発酵後すぐのアルコー度数約2%のフレッシュなグレープジュース)、Muté(ミュート=混合)、Cognac(コニャック)の頭文字をとったもので、Pineau des Charentes(ピノー・デ・シャラント)の作り方を表現したもの。
今回のキャラクターを司る商品名の「3」はバッチナンバーで、保有する3つの樽の3番目を意味しており、この樽だけが長期熟成古酒となります。(2013年に同社の地下セラーに保管場所が移されました。)
この商品は作り方こそ紛れもないピノー・デ・シャラントながら、酸度が高いことや、一般的なピノーから逸脱している事で、委員会からそれと認められませんでした。
同社としてはピノーとして売りたかったので、それを連想する頭文字を入れて商品化することで、暗にそれと分かる表示をして販売しています。
2018年に良質のコニャック原酒を求めて同社のセラーを訪問したところ、偶然に遭遇した貴重なストック。240本だけ分けてもらった特別な逸品をご紹介します。
---Tasting Note---
香りはフルーティでエレガント、ペストリー。味わいは熟した果実で、ミネラル感も感じます。最大の特徴は良質の酸味で、この商品に驚くべき幅を与えています。
(Tasted by ギョーム・グロペラン氏)
※輸送時の衝撃によりチップしております。下部画像にてご確認ください。