17世紀初めから自家畑で葡萄を栽培し、少量生産の蒸留酒を作り続けている
ギィ・ピナール家。
そのテロワールは、ファン・ボワ地区でもグラン・シャンパーニュ地区に隣接する
フシニャック村に位置し
、「プルミエ・ファン・ボワ地区」とも呼ばれ、グラン・シャンパーニュにも勝る、最上のぶどう・原酒を生み出しています。
1969年に収穫ぶどうを食べた子供がお腹を壊したことから、大きな決断を行い、現地の生産者の中でもいち早く
オーガニック農法を取り入れ、コニャック地方では珍しい
ビオ認定を取得。
またコニャック地方でも全ぶどう生産量の1%にも満たない
フォル・ブランシュ種を復活・維持する伝統ある家族経営の作り手です。
ピナール家の愛情をたっぷり注がれ、
ビオディナミ農法・無農薬で大切に育てられている良質のぶどうから生み出される原酒は、
味わい深いコニャックの魅力を体感させてくれます。
またこちらは
日本コニャック協会鯉沼会長もその
実力を認めた作り手。通常は正規代理店NOZOMI株式会社様のお取り扱いとなりますが、
今回のシングルカスクに限っては特別なご縁もあり、弊社直輸入でのお取り扱いとなりました。
今回は弊社OBでもあり毎年のように同家を訪れ親交の深い、東京・浅草 BAR DORAS オーナーバーテンダーの中森保貴氏が現地で直接厳選を重ねた原酒達。
ピナール家の信頼もあってボトリングされる、コニャックでは異例となるシングルカスク。本来は日本市場では出会うことのできない秘蔵の原酒が、BAR DORAS 10周年記念ボトルとして信濃屋向けに数量限定でボトリングされました。
選ばれた2樽のうち1樽は、同家のストックでも最古となる1979ヴィンテージに次ぐ1986ヴィンテージの原酒。
1969年にビオディナミ農法・無農薬栽培に転換したため、その後約10年は原酒づくりが休止し、1979ヴィンテージが転換後最初のヴィンテージとなりました。1979ヴィンテージについてはその希少性から現地の同家での直接購入のみとなります。また、1979ヴィンテージ以降で1986ヴィンテージ以前の原酒は残念ながら既に同家でもストックが枯渇してしまいました。
ファン・ボワ地区では隣接するグランシャンパーニュ地区とは異なるテロワールを持ち、生まれた原酒は比較的早く熟成が進み、地元でも3年熟成品が主流となり、XO規格品の平均熟成年数も大きく異なるなど、若くして飲み頃を楽しめるポテンシャルを秘めています。
そうした中でリリースされることなく、熟成を重ねたファン・ボワ地区の”長熟”原酒は現地でも貴重な存在となり、その年数以上の熟成感を纏い、他地区の”超熟”原酒に匹敵する味わいを体感させてくれる魅力を備えています。
また、若くから楽しめることで、熟成コストは必然的に抑えられ、他地区の原酒に比べて、高いコストパフォーマンスを享受することができます。
通常、コニャックでは多品種の原酒を巧みにブレンディングし、加水調整してボトリングが行われます。
今回は同家のこだわりであるビオディナミ農法・無農薬栽培によるユニブラン種の原酒。また特別なカスクストレングスによるボトリングが行われました。
ファン・ボワ地区の中で、ピナール家の愛情に包まれじっくりと育まれた、飲み手を魅了する”超熟”原酒を凌駕する貴重な”長熟”原酒の魅力を是非ご堪能下さい。
---Tasting Note ---
熟したイチジク、雨上がりの森林で木の幹から出るみずみずしいブーケから始まり、奥に糖度の上がったスターフルーツのアロマをコーティングするようなビターチョコレート。
早熟なファン・ボア地区の酒質を超えた長期熟成による濃厚な凝縮感と熟成の神秘。
樽から出るウッディなロースト感がパワフルに力強く染み渡るが、驚くようにタンニンが綺麗に渋みなく口溶けていく。
ギィ・ピナール家の通常商品と違い特別に樽出原酒で詰めて頂き、カスクストレングスならではの豊かなボティからの上がりのキックバックといつまでも続く長い余韻は、稀に見ない妖艶な貴熟香が炸裂!
南国フルーツが出るランシオ香がお好きなウイスキー・ラヴァーの方には是非とも必飲して頂きたい、驚きと記憶に残る味わいを断言出来る偉大なコニャック。
(Tasted by BAR DORAS オーナーバテーンダー 中森保貴氏)
2005年4月 東京・浅草でオープンし、2015年で10周年を迎える名店。
品揃えはコニャックだけではなく、シングルモルト、スピリッツ、リキュールの現地仕入れボトルや最新の話題作からオールドまでヨーロッパの洋酒文化に出会える幅広いボトル達。
また、オーナーバーテンダーの中森氏が現地で直接仕入れるやアンティーク調度品やマスター自ら作り上げるバーフードはその魅力を更に盛り立てます。
"DORAS"とはゲール語で「扉」を意味し、その”扉”の中のヨーロッパ各国に居るような非日常的な雰囲気を体感できる名店は、多くの飲み手やバーテンダー、ゲストを惹きつけて止みません。
-Mr.Yasutaka Nakamori-
(中森保貴氏・写真左)
BAR DORAS オーナーバーテンダー。
信濃屋での勤務を経て、その後都内数軒のBARでバーテンダーの研鑽を積む。
毎年、欧州各地を訪ねて、生産者だけでなく、生産地、その街、その文化を吸収し、BAR DORASを通して、ヨーロッパ各国の文化や伝統を伝道しています。
また、コニャックはもちろんのことシングルモルト、カクテルは言うに及ばず、バーフードや日本文化への見識・こだわりも深く、常に探究心を忘れないプロフェッショナルバーテンダーの一人です。
(2013年同家セラーにてローラン・ピナール氏(右)と)