今回、弊社の節目を飾る10th ANNIVERSARY BOTTLINGに相応しい新作となる第7弾としてご用意することができたのは、
日本が誇るべきジャパニーズウィスキー原酒。
長野県中央アルプス駒ケ岳山麓標高798mの地に鎮座する
マルス信州蒸留所の原酒。これまで5本のボトリングを行ってきた同蒸留所から、今回は弊社単独でのプライベートカスクとして2樽目のボトリングとなります。
2017年6月に弊社スピリッツバイヤーが蒸留所を訪問し、所長である竹平氏と密接な交渉と妥協なきテイスティングの結果として選び抜いたのは1988ヴィンテージ蒸留の29年熟成原酒。
同蒸留所はマーケットの変遷もあり、1992年から2011年まで約19年間の一時蒸留休止の苦難の時代を乗り越えています。今回、弊社の節目のリリースのために、長年のリレーションシップで特別に譲り受けた1樽はその一時休止前となる、まさに蒸留所の歴史的な遺産とも言える存在であり、蒸留所のストックも極めて限られている至高の存在となります。
また、再稼動後の2014年には蒸留器の交換が行われ、それ以前に岩井喜一郎氏が半世紀以上前に手掛けたポットスティルで生み出されたまさに失われゆく味わいでもあります。
(2014年交換前の旧蒸留器)
限りある貴重なサンプルから選び抜かれた原酒は、過去リリースした"salon de SHIMAJIボトル
"と同じくアメリカンオークで組まれ、スコッチウィスキーの熟成に用いられたカスク。
その味わいは長所でもあるアメリカンオーク樽熟成由来のオーキーでフルーティーなフレイバーが分かりやすく表現されており、休止前のマルス信州のハウススタイルを素直に感じる事ができる原酒であり、カスクの出自を感じさせる熟成とピートによる複雑なフレイバーも体感させてくれます。
また今回のラベルには、彼の地、信州の伝統と文化をも発信するべく
、度重なる交渉の末、葛飾北斎が信州で手掛けた東町祭屋台天井絵「龍図」を北斎記念館様より特別に使用許可を頂き採用しています。
昨今、過熱の様相を見せるジャパニーズウィスキーマーケットの中でも、今後実現可能性は限りなく低い、貴重なシングルカスクの長熟カスクストレングスボトリング。
『先人の技術で生まれ、ウィスキー不遇の時代を乗り越え、駒ヶ岳の山々に29年の間、育まれ続けた極上の1本をぜひご堪能下さい。』
---Tasting Note ---
【香り】バニラ、トロピカルフルーツのフーセンガム、乾燥茶葉、徐々にリンゴや洋梨のエステリーな香り、樺の木と軽いスモーク。
【味わい】口に含むと、甘いオーク、カスタード、大麦糖、アップルパイ、熟したバナナ、アプリコット、マーマレード。ウッディでフルーティーな味わいと共に心地良い熟成感を感じる。
【フィニッシュ】フィニッシュはバナナの渋皮、ジンジャー、オールスパイス、甘みを伴いながらもビターでスパイシーに長く続く。
【コメント】ジャパニーズの長期熟成独特の多彩で濃密なフレイバーと展開力は圧巻、旧時代の遺産を体感して下さい。
(Tasted by 弊社スピリッツバイヤー)
竹鶴正孝氏の摂津酒造時代の先輩であり上司であった"岩井喜一郎氏"が「竹鶴ノート」の報告を元にウィスキープラント設計と製造指導を行い生まれたマルスウィスキー。
その後、1985年に長野県駒ケ岳山麓の標高約800mという"日本で最も高地となる蒸留所”『マルス信州蒸留所』へ受け継がれ今に至ります。
WWA(ワールドウィスキーアワード)2013のブレンデッドモルト部門で見事世界一に輝き、今や欧州を中心にジャパニーズウィスキーの一大ブームが起こっている今、世界中から注目を集めているブランドとなったマルスウイスキー。
1992年を最後にモルトの蒸留については休止を余儀なくされていましたが、2011年に19年ぶりの復活となる再稼動を遂げ、2014年には蒸留器も更新されるなど、着々と次世代への進化をみせています。
新蒸留器
旧蒸留器