スコットランド、スペイサイドの中心を南北に繋ぐA941からスペイ川の支流、グランティ川を挟んで対岸に所在するスペイバーン蒸留所。
地域の大動脈から川を隔てたところに佇む姿には時間に束縛されない感覚と静穏がそこにはあり、「これほどまでに風景と調和して建てられている蒸留所は他にはない」と言われるほど美しい風景として完成されています。
この地に蒸留所が生まれたのはヴィクトリア女王在位60年のダイヤモンド・ジュビリーの年、遡ること121年前となる1897年。
蒸留所はヴィクトリア期の著名な建設家であるチャールズ・ドイグが建てた傑作でもあり、その土地の由縁でも有名です。
グランティ川の恵をマザーウォーターとして、1900年からのドラム式モルティング(現在は廃止)など伝統ある蒸留方法で「独特な温かいフレーバー」の原酒を生み出し続けてきました。
1991年より現在のオーナーであるインバーハウス社の所有となりますが、その原酒のほとんどはボトラーに供給されることは非常に少なく、シングルカスクのオフィシャルボトリングも過去数える程度しか前例がない稀な存在となります。
弊社スピリッツバイヤーが度重なる交渉の末に現地蒸留所を訪問し、インバーハウス社、蒸留所、インポーターの特別な協力で実現した今回のリリースはインバーハウス社が確認する限りは世界初のスペイバーンオフィシャルプライベートボトリングとなります。
生産者と共に蒸留所内で厳選した1樽は新時代2000年代に生み出された2004ヴィンテージ。ファーストフィルシェリーカスクに12年以上育まれ、蒸留所の創業120年目にボトリングされた原酒。
これまでに弊社プライベートボトルを筆頭に世界的に人気を得ているダークシェリータイプのスペイサイドモルト原酒。
今回導いた1本はそのスタイルを帯びながら更に特徴的なニュアンスである、日本の奥ゆかしい甘味が感じられるフレイバーは日本人の心を落ち着かせる、そんな優しく哀愁漂うシェリー樽熟成原酒でもあります。
また、これまでに例のない存在であるボトリングは唯一無二のコストパフォーマンスも実現。
『最良のストックとなる蒸留所所有のカスクから世界初のプライベートカスクセレクションで選び抜かれた秘蔵の1樽をぜひご堪能下さい。』
---Tasting Note ---
【香り】香りは、黒葡萄、プルーン、トゥニーポート、ややスミレとグリーンペッパー、インク、黒糖、温泉饅頭。
【味わい】口に含むと、香りと裏腹にソフトでマイルドな口当たり、ミディアムボディ、栗羊羹、ヘーゼルナッツ、レーズン、ブルーベリージャムを塗ったクラッカー。
【フィニッシュ】フィニッシュは、野菜の甘酢漬け、桜の塩漬けを埋め込んだあんぱん、かりんとう、和を連想させる上品で奥ゆかしい甘さが印象的。
【コメント】ソフトでマイルドなハウススタイルを保ちつつ濃厚な樽由来の熟成感や「和」の甘さを引きたてた酸味や塩味の美しいバランスは日本マーケットに相応しい1樽。
(Tasted by 弊社スピリッツバイヤー)