313本限定
今回はボトラー業界の巨塔ゴードン&マクファイル社(以下、G&M社)とのジョイントボトリング第4弾。
長年の交渉の末、エルギンの同社本社を訪問し、サンプリングとウェアハウスを見学、豊富なストックの中から選びぬかれた1樽をご紹介します。
G&M社は1895年に創業された最も歴史の古い老舗の1つであり、現在、世界で最も知名度の高いボトラー。当時から有名蒸留所と深い関係にあり、自社で用意した樽に原酒を詰めてもらって独自の熟成を行う独立瓶詰業者のパイオニアとしての一面やベンロマック蒸留所を傘下に収め、蒸留所オーナーという立場を築くなど、今なおボトラーシーンの先を走る存在でもあります。
約2年ぶりとなる同社からのプライベートボトリング第4弾は弊社スピリッツバイヤー陣がスコットランドの同社オフィスを訪れ、生産者と共に厳選を交渉の末に実現した1樽。
アルタ ア ベーンは、ゲール語で「ミルク色の小川」を意味する言葉。
1975年創業の比較的新しい蒸留所。2002年に生産休止期間があり、原酒が少ない上、その殆どがブレンドに回されることから、シングルモルトとしてのリリースが全蒸留所の中でも特に少ない蒸留所として知られている。
信濃屋では初となる「新生コニッサーズチョイス」でのリリース。
赤林檎を想わせる溌剌としたフルーツ。
『GM社固有の古樽が与える威厳の面影の中で、時折垣間見せるあどけない表情が印象的。』
一本のボトルの中で、さまざまな新旧混在が見事に体現されています。
---Tasting Note ---
【香り】
バランスの良いアロマ。アルトビール、リンゴジャムとバタートースト、淡くナツメグ、流木や窓の廂、焼きりんご、ワッフルと生クリーム、冷凍バナナ、かすかにフローラル。ウェアハウスの乾いた埃っぽさ。
【味わい】口に含むと、若いが一体感のあるアタック、すぐに消えてフルーティ。カットフルーツ、赤いグミ、スコティッシュサイダー、次第にドライ&ビターに。春摘みのダージリンティーの爽やかな渋みと古樽のスパイス。
【フィニッシュ】
余韻はホットで清冽。小気味よく走り抜けるように消えていき、赤林檎の皮とダスティーな戻り香。