アルマニャック・ドローの歴史は1893年まで遡ります。
創業者の蒸留責任者兼セラーマスターのプロスパー・ドローは、移動式蒸留器を引いて各ぶどう農家を回り、そこで作られた白ワインを蒸留して回りました。以降、1932年にプロスパーの息子、ガストンとジョルジュがランパックスにアルマニャックハウスとしてのドロー・フレールをスタートさせました。
彼らは、生産者、蒸留業者、ボトラーズの3役をこなし、ガスコーニュの特産品であるバ・アルマニャックのブランデーを米国に販売する販路を見出しました。1963年にはガストンの長男ジャック、1973年には次男のピエールも家業に加わりアルマニャック販売の地盤を固めていきました。
2001年以降はジャックの二人の息子で、現在のドロー家の舵取りをしているシルヴァンとジェロームがブレンド技術と営業力に磨きをかけて、ブランドの更なる発展に寄与している、4世代に渡る生産者兼ネゴシアンです。
畑・・・バ・アルマニャックにあるランパックス村に11エリアに分割された42ヘクタールの畑を所有し、アルマニャックを作るうえでの主要4品種を全て栽培。
(ユニブラン56%、コロンバール24%、バコ14%、フォルブランシュ6%)
ワイン醸造・・・4つのぶどう品種は個別に収穫され、蒸留所から程近いワイナリーにて圧搾、醸造。アルマニャックに最も適した状態に仕上げます。
蒸留・・・2つの異なるタイプの蒸留機を保有して商品を生み出しているアルマニャック唯一の生産者。
1つはドメーヌ・ボワニエルやオニョアスなどの名門も採用している今はなきクラフトメーカーSIER社による1900年製で、今も現役として活躍するアルマニャック伝統の半連続式蒸留器。もうひとつはコニャックで使用されるシャラント式単式蒸留器で主に若いアルマニャックを生産しています。
熟成・・・熟成3年の若いアルマニャックから、30年以上もの長熟ブレンド、1900年からのヴィンテージものまで保管する専用セラーを完備。
ドロー社はバ・アルマニャックにしか自社畑を持っていないので、こちらは買い付けの原酒になります。
同社が定期的にテナレーズ産のアルマニャックを試飲する中で、いくつかの原酒に“恋に落ちてしまった”ものがあり、今回のカスクもそのうちのひとつ。
同社では取り扱いの97%がバ・アルマニャック産原酒で、残りの3%が選りすぐりのテナレーズ産原酒となります。
もはやヴィンテージやぶどう品種に関係なく、とにかく良かったから、好きだから購入したという貴重な
45年長期熟成原酒を90本のみ特別に瓶詰。