SANSIBAR × SHINANOYA 4th
ポート樽に眠る美女
今年10周年を迎えたSANSIBARと信濃屋との日独のジョイントボトリング「JAPONISM」 第4弾は、
人気蒸留所、クライヌリッシュから1990年蒸留 2020年瓶詰めの非常に珍しいポートカスク熟成。
Jens Drewiz 氏
ザンジバーのコンセプトでもある『究極の飲みやすさ』を基軸に、オールドボトルの愛好家を始め、幅広い愛好家に受け入れられる一本。
印象派を代表するフランス人画家 ルノワールが描いた「団扇を持つ女性」。
当時流行していた英国風タータンチェックの旅行着を着ている姿や手に持たれた日本の団扇、明るい華やかな色彩が今回のクライヌリッシュ長期熟成ポートカスク原酒に相応しいと思われる一枚を採用。
ポートカスク熟成の影響で、ピンクがかったアンバーな色調は、まるでロゼワインの様でとても美しい。
注ぎたては、ポートカスク由来と思われるフレッシュなベリー系の香味が主張する。少々気難しいタイプに感じるが、熟成したクライヌリッシュのハウススタイルは奥に潜んでいる。
時間経過で、ポートカスクの薄衣が一枚、一枚と剥がれ落ちていくにつれて、三十年の熟成を経たクライヌリッシュらしい表情が次第に顕わになっていく。
熟したメロンやバターフィナンシェ、熱を加えたオレンジとマヌカハニー、塩キャラメル、海岸沿いのデッキ、黒土、ドライハーブのニュアンス、オールドボトルにつながるニュアンスも。
本領発揮までかなり時間がかかるがその分待つだけの価値はある。ポートカスクの艶っぽい鮮やかさと、その奥に鎮座する熟成クライヌリッシュの堂々とした存在感という二面性を持つ複雑なテーマが体現されたカスク。