今回の一樽は、通常のスタンダードボトルでは、シェリー樽熟成の原酒が使用されているベンロマックですが、本来の酒質をより感じることが出来る、ファーストフィル バーボン樽熟成の原酒をセレクト、シングルカスク・カスク ストレングスでボトリングいたしました。
再開から20年以上が経ち、「スペイサイドの新古典」として、普遍的な味わいを作り続けるベンロマック。甘く乾いたオークフレーバー、塩バニラ、ホワイトグレープフルーツのシトラスが心地よいバランスで楽しめる一本です。
---Tasting Note ---
甘く乾いたオークスパイスとスモークな香り。塩バニラアイスクリーム、お線香、ショウガ糖、焼いたワッフル、ココナッツサブレ、カルダモン、ライムの皮、ホワイトグレープフルーツ。
口に含むと、ブラウンシュガー、灰、ホワイトグレープフルーツ、蜂蜜ビスケット。加水でよりフルーティーさが開く。
フィニッシュは、ドライハーブ、甘く乾いたスモークを伴いながらシトラスと蜂蜜の余韻が心地よく続く。ジャスミンティーのフローラルでビターネス。
(Tasted by 弊社スピリッツバイヤー)
Benromach Distillery
(ベンロマック蒸溜所)
スペイサイドの地に1898年に設立されたベンロマック蒸留所。
100年以上の歴史のなかで1980年代には時代の趨勢に巻き込まれての一時休止を余儀なくされるなどその歩みは波乱万丈でもありました。
その転機が訪れたのは1993年。老舗インディペンデントボトラーであり、シングルモルトというカテゴリーを世に広めたパイオニアでもあるゴードン&マクファイル社(以下、GM社)が蒸留所を取得。
長きに渡る大々的な修復後、1998年10月チャールズ皇太子の立会いのもと正式に蒸留が再開され、その息吹を取り戻しました。
長い眠りの果てに復活したベンロマックでは全てにおいて1960年代以前の失われ行くコンセプト・素晴らしさが色濃く反映されており、麦を初めとする原料をスコットランド産にこだわり、製造工程も機械やコンピューターを使わないという、昔ながらのスペイサイドモルトを目指した貫徹された美学がそこにあります。
また、ウィスキーシーンでは珍しいオーガニック認証に従った原酒造りや積極的なウッドフィニッシュへの取り組みなど、オーナーGM社の最先端の実践を感じさせるところでもあります。
その品質は近年、マーケットでも安定した評価を受け、年々のマーケットへの供給量も増えているところ。特にエキスパートからの支持が高まりつつあり、正にこれからの飛躍が期待される存在です。
しかしながら、オーナーがボトラーでもあり、他社へのカスク供給による
ボトラーシーンでのリリースは極めて難しく、シングルカスクでのリリースも限られた存在となります。