コニャックの生産地域は土壌の違いにより6つに分類されますが、今回の原酒はその中で一番小さいボルドリ地区からのもの。
大輪の花を咲かせるイメージのグランドシャンパーニュ地区とは異なり、可憐な花と繊細さを感じるイメージのボルドリ地区。グランドシャンパーニュ地区と比べて早くから楽しめるイメージの強いボルドリ地区のコニャックですが、長熟原酒の中にはそのイメージを覆す魅力的な原酒が存在します。
今回のボトルはまさにそれに該当しており、その魅力を十二分に楽しめる仕上がりになっています。
Commented by Guilhem GROSPERRIN
この非常に古いコニャックは1930年にブリエに定住した生産者の未亡人より購入したものです。
ボルドリでは最高区画と言われている丘の中腹より産出されたコニャックで、彼の家族によって丁寧に慎重に保存されてきました。
孫の一人がその偉大な土地を引き継ぎ、現在では同地区でも大きな畑を有していますが、祖父が残した偉大な原酒はボルドリ地区のブリエの村の中心 にある地下貯蔵庫にて別管理されています。その並外れた貴重な原酒を購入する機会に恵まれ、以降はシャラントのほとりにあるサントの自社セラーにて、ゆっくりと熟成を続けてきた貴重な原酒です。
過ぎ去った時代に思いを馳せて、ゆっくり楽しんでいただきたい極めてレアなストックです。
--- テイスティング・コメント ---
香り:様々な花を盛り込んだフラワーバスケットの中から、ボルドリ地区の特徴とも言えるスミレの可憐な香りがはっきりと顔を覗かせる。 魅惑的なランシオ香に包まれ、ドライフラワー、上質のレザー、ヒュミドールを開けたときの葉巻、スパイス、キャラメリゼしたナッツ。
味わい:ボルドリのイメージが覆るオイリーでミネラルすら感じるテクスチャー、しっかりした骨格のストラクチャー。 そこから次第に、パパイヤ様の南国果実を伴い、ダージリン紅茶の渋みや、赤ワインに感じられる上質のタンニンへと誘います。 最終的には優雅で繊細、上品なフィネス感で口の中が満たされます。
余韻:口福感がしばらく続き、最終的にはスミレの心地良い香りが蘇る。
総括:ボルドリならではの個性とともに、グランドシャンパーニュ地区に感じる力強さも兼ね備えた稀有な原酒。 60年の熟成に迫る今もなお、酒質にパワーをみなぎらせるレアストック。
ボトル裏面のエクスクーシヴラベルは、絵心のあるギレム氏の妹、アクセレさんが今回の為に手書きでデザインして頂きました。
(左が通常ラベル、右がエクスクーシヴラベル)