膨大なストックを持つ、同社のウェアハウスのなかから選ばれたのは、1823年に設立され、今年
200周年を迎えた、
モートラック蒸溜所から2007年蒸溜、13年間以上ホグスヘッド樽で熟成した原酒をシングルカスク/カスクストレングスで信濃屋向けに瓶詰致しました。
「ダフタウンの野獣」とも呼ばれるモートラックですが、その由縁は「肉厚な質感」によるものです。「2.81回蒸溜」という非常に複雑な蒸溜方法を用いています。
肉厚なスピリッツは他にもいくつかありますが、モートラックのような重量感を持つものは少なく、スコッチブレンデッドウイスキーのベースノートとして非常に重宝され、その結果、シングルモルトでのリリースが非常に珍しい蒸溜所でした。その重量感がシェリー樽との相性の良さでも良く語られています。
ノンシェリータイプのモートラックは、ボトラーズリリースならではの醍醐味。このカスクについても、綺麗な立ち上がりから余韻にかけて、そのリッチで複雑なハウススタイルの酒質をストレートに感じることができる仕上がりです。
綺麗なバニラや焼き菓子、ピスタチオやココナッツのナッティさ、中熟原酒にも見られる、キイチゴやメロンのようなフルーティーさが育ちかけている片鱗も見つけることが出来ます。フィニッシュにかけて、独特の蒸溜方法を経て生み出されたリッチでスパイシー、ミーティーな個性、複雑な輪郭を感じる一本。
WHISKY KIDでは、特に、10年程度の若い原酒の中から、個性の光るものをボトリング対象としたシリーズとなります。
今回は、2018年10月、現地スコットランド・ピトロッホリーにあるシグナトリー社のウェアハウス内での直接テイスティングを経て、当時アシスタントバイヤーであった(あ)こと秋本が選定し、通常の信濃屋プライベートカスクに加わる、新たなオリジナルボトリングシリーズ「WHISKY KID」としてボトリングに至りました。