中世の街並みが今でも残る事から映画「ハリー・ポッター」の撮影地として使用されてきたコッツウォルズに、新しくできた蒸留所コッツウォルズ。
蒸留所CEOに就任したダニエル氏は、単身赴任でフランスからロンドンで勤務するようになり、綺麗な石畳の街並みと有名なラベンダー畑で知られるイングランドで最も美しい村「コッツウォルズ」に、セカンドハウスを購入しました。
その後リーマンショックを機に、居住地を完全に移した後のある日、自宅から見える2.4㎢の大きな大麦畑を見て、"なぜ大麦が育つのにイングランドではウイスキーを造らないのか。"と疑問を持ち、蒸留所の設立を決意しました。
このような経緯があり、2014年7月イングランドの中心に位置するコッツウォルズ地方の北側に設立されたコッツウォルズ蒸留所は、メンターとして、ボウモアの元蒸留所マネージャーのハリー・コックバーンと、ウイスキーのアインシュタインとして親しまれるジム・スワン博士に指導を受け、隣国スコットランドの製造方式で2014年9月からウイスキーを製造しています。
この蒸留所の特徴は何といっても地産地消です。
設立の要因となったコッツウォルズ産のオデッセイ品種の大麦を、地元の水源を、地元にあるドーノッホ蒸留所も利用している1855年から続く世界最古の製麦業者であるモルトスターのウォーミンスター・モルティングス社でフロアモルティングを行っています。
彼らは音楽と蒸留所の関係についても意識しており、ウイスキーの蒸留器2基はそれぞれ名前が付けられています。初留器「メアリー」は、労働歌の一曲である"Proud Mary"で歌われる労働に、再留器「ジャニス」はジャニス・ジョプリンの"Piece of my Heart"とウイスキー製造でも深い関わりのあるハートにちなんで名づけられました。
CEOに就任したダニエル氏は、高品質な原酒とシェリー樽を組み合わせることで、濃厚でエレガントなシェリー樽熟成のスタイルの完成を目指すと述べています。
若いスピリッツながら、「ジム・マレー・ウイスキー・バイブル」の2016年から2019年版で94ポイント以上を獲得し続けています。この他にも、「ウイスキーマガジン」誌の2018年「アイコンズ・オブ・ウイスキー」など、
設立からわずか7年目の現在、既に、ワールドウイスキーアワーズやウイスキーバイブルなど多くの受賞を果たしています。