今回のリリースは六本木のBAR莨樽様の3周年を記念し、信濃屋のスピリッツバイヤー秋本が調達したプライベートリリース。強いピートフレーバーとエレガントな甘さが特徴のアイラモルトです。
BAR 莨樽(ろうたる)は、ウイスキー愛好家の郭 良 (かく りょう)氏がオーナーを務める、オーセンティックなウイスキー&カクテルBARです。
郭氏は10年以上前から日本に滞在し、当時はジャパニーズウイスキーを中心に飲んでいたそうですが、ある時勧められたシングルモルトスコッチウイスキーで開眼し、新旧問わずボトルを収集するだけでなく、特別なウイスキーをこだわりの空間で楽しんで欲しいと考えるようになります。
こうして2020年にオープンしたBAR莨樽の「莨」は煙草、「樽」はウイスキーの意味であり、大人の嗜好品を嗜む上質な空間という郭氏のこだわり、想いが込められています。
開店当初は世界的な感染症の影響を受けて通常営業をすることは出来ませんでしたが、その間日本中の著名なBARや蒸留所、イベント等を巡り、ウイスキーへの知見を深め、多くの繋がりを作れたと話されています。
今回のリリースは、その繋がりが実現した1本です。節目の年のボトルに選ばれたのは、”巨人”と称される蒸留所のシークレットアイラ・シングルモルトウイスキー。2013年蒸溜、約1年間のバーボン樽熟成の後、約7年間をポートワイン樽で熟成したピーティーな原酒を、シングルカスク、カスクストレングスで瓶詰。
この蒸留所のウイスキーは、郭氏がシングルモルトに開眼するきっかけとなったものであり、BAR莨樽の周年を記念するに相応しい特別なリリースと言えます。昨今、原酒枯渇と需要増から、長期熟成のアイラモルトの価格高騰が著しく、また蒸留所名を名乗れるリリースも限られています。
(アイラ島の蒸溜所をイメージした参考画像になります)
今回のシークレットアイラモルトも例外ではなく、蒸溜所名は伏せられ、熟成年数も8年と短熟に部類される年数です。しかし、短熟モルトの良さとしてはっきりと伝わる蒸留所の個性に加え、若さ故に残るネガティブなフレーバーをポートワイン樽由来の甘く粘性を伴う要素がカバーし、スペックから受けるイメージ以上のクオリティを感じて頂ける。まさに飲むほどに愛が増していく1本です。
◆テイスティング・コメント◆
赤身を帯びたブラウンカラー。
甘くスモーキーなトップノート。フレーバーティーのような甘さと支配的なピートで、野焼きや根菜を思わせる土系の要素、微かに漬物、蜂蜜梅干しを思わせる酸、鼻腔へのほのかな刺激を伴う。
口当たりは甘く張り付くような粘性がありつつ、はっきりとピーティー。乾煎りした麦芽のような香ばしさ、焦げた木材や根菜の風味と合わせてドライベリーやチェリー、フルーツシロップのような甘酸っぱさ。
余韻はヨードを伴うピーティーでねっとりとした甘さから、スパイシーな刺激も感じられ、長く続く
(Commented & tasted by くりりん氏)
WHISKY BAR & GARELLRY 莨樽
住所:東京都港区六本木7-16-5 六本木戸田ビル1F
営業時間:18:00~26:00
定休日:日曜日