今回選定したカスクは、フランス南西部バ・アルマニャック地方ジェール県クラヴァン セール村の、現在は閉業しているドメーヌ・ドゥ・ベルエアの1974年ヴィンテージのア ルマニャックです。
バ・アルマニャック地方は最上級のアルマニャックの産地である事でも知られており、テロワールの影響を受け、繊細でフルーティーな香りが特徴。
使用されている葡萄の品種は、華やかな印象を与えるユニ・ブランが40%で、残り60%はクラシックなアルマニャック品種バコが60%。
アルマニャックらしい香り・味わいながら、華やかさや瑞々しいフルーティーさを内包している優秀な比率です。 ランシオ香を思い起こさせる熟成感と香木、干しぶどうと赤ワインソースの後、スパイシーさも内包している。口に含むとカカオやバニラが広がり、深い甘さと円やかなタンニンが包み込む。優れた熟成アルマニャックらしさを確か に感じながら、かつてのオールドバーボンに通じる深い甘みや熟成したマルティニークラムのようなスパイシーさや甘みを感じ、優れた熟成酒に共通項が沢山見つかる一本。 琥珀色のお酒を愛する愛好家に是非飲んでみてほしい。
---Tasting Note ---
香りは、艶っぽい熟成香。磨き上げた木製家具、火を当てたオレンジの皮、干葡萄と温めた蜂蜜、赤ワインと肉のソース、シナモンやナツメグ、フェンネルシードの甘い香り、微かに画材と乾いた布や黒土。
口に含むと、シルキーな口当たりで、カカオやバニラ、ローストした胡桃、肉の赤ワインソース。
フィニッシュは複雑で温かみがあり、ランシオ香。熟れたバレ ンシアオレンジとライムピール、ユリの花、タバコ、白檀、ナツメグやカルダモンのスパイシーなアクセント。
(Tasted by 弊社スピリッツバイヤー)
「ダローズ」の歴史は、創始者ジャン・ダローズ氏が有名オーナーシェフとしてレストランを経営していた1960年代に、息子のフランシスと共に、ダローズブランドとして各農家で自家生産されていたアルマニャックを販売するというアイデアに辿り着いたのが起源となります。
1974年にはフランシスが小規模なアルマニャックハウスから樽を買い取り、自社セラーでの熟成を始め「ダローズ」ブランドとしての販売を開始。 1996年、創業者の孫にあたる現オーナーのマーク・ダローズ氏が経営に参画し、父親であるフランシスの引退を機に1999年からに正式にダローズ社社長に就任。2014年には「ダローズ」へとブランドもリニューアルされ、日本市場を含め、世界各国に商品供給を行っています。
ダローズの特徴は単なるネゴシアンではなく、蒸留直後に買い付けたアルマニャックの樽をすべて自社倉庫で厳重に管理・熟成させています。アルマニャックとしての個性と情熱を感じさせる原酒を送り出すことをモットーに入念なテイスティングを重ね、それぞれのベストタイミングを見極めてオンリスト。瓶詰めもオーダーを受けた分だけしか行わないという徹底した品質管理の下、しっかりとしたこだわりを貫いています。
また、樽で熟成されていたままのアルマニャックを味わってもらいたいとの思いから、すべてのヴィンテージは加水無しのカスクストレングスでのボトリングとなっており、通をうならせるアルマニャックのラインナップとなっています。
そのリリース方式からマーケットの在庫は出荷時から限られた本数のみという貴重な存在となっており、入手機会も限られる逸品です。