今回のボトルは四国・徳島にあるウイスキーとカクテルの銘店、Bar 鴻 kohnoの鴻野良和氏が、多くのカスクサンプルの中から選定した特別な1本。
***以下、鴻野氏コメントより転載***
スコットランドといえばタータンチェック 。今年より始めた色でウイスキーの味を表現する当店プライベートカスクウイスキーのseriesに秋の仲間が増えました。
シーズンウイスキー2023オータムに選んだのは昨今人気のグレンカダム。一昨年リリースし大好評を得たトミントールに次ぐクラシックでエレガントなシェリーカスク熟成です。
規模が小さく伝統的に手作業で製法を続けるグレンカダムは1825年創業で約200年の歴史を誇ります。これまで閉鎖の危機を迎えるなど決して平坦ではない道のりを経験し、苦労を重ねて時代を紡いだ蒸留所です。
10年熟成ですがポテンシャルは最高です。
味わいは濃厚で美しく歳を重ねた女性のように気品ある華やかさがあり、成熟した果実を連想させます。
飲み方は何も細工は要りません。ありのままのストレートでお召し上がりいただくのが一番のおすすめ。次にソーダ割です。オールド感のある風味が現れエレガントなハイボールに。もちろんロック、水割りにしても美味しくいただけます。揺るぎない信念が基本にあるので、貴方のお好きなようにしていただいて大丈夫です。
さまざまな時代を、いろいろな経験を通して成熟された方や、人間的な魅力に溢れる方、私はこのグレンカダムを飲んだとき、そんな方たちを思い浮かべました。肌寒くなる秋の夜長、月を見ながらの1杯になれば幸いです。
令和5年11月吉日
ウイスキーはカクテルと同じ、バランスの良さと個性を重要視しセレクトしたいと心がけています。
※このウイスキーには「おり」とよばれる白い沈殿物が入ってる場合があります。
ウイスキーの原酒の成分や、樽の成分が結びつき析出したもので、元々ウイスキーの香味成分(高級脂肪酸のエチルエステル)の一部です。
品質の面ではまったく心配ありませんので、そのままお飲みいただけます。お気になるようでしたらボトルの底に沈めるか、ペーパーフィルターなどで
漉してお飲みください。
-テイスティング・コメント-
AROMA
リンゴ、杏子のコンポート、プラム、サンザシ、生姜、ミント、ビターチョコレート
FLAVOR
アタックは強い甘み。りんご、さくらんぼ、プラム、杏子の熟したフルーツ。
どっしりとしたオレンジオイル、チョコレートのタンニン、ジンジャーとビターなスパイス。
Tasted & Commented by Bar 鴻 kohno 鴻野良和 氏