Cognac BERTRAND
Double Barrel Section
Lot 92/94
pour BAR DORAS
(700ml/43.2%vol) -240本限定-
***以下、BAR DORAS 中森氏ご案内より転載***
1731年よりブドウ栽培を始めた長い歴史を持つ BERTRAND(ベルトラン)家はコニャック地方プティット・シャンパーニュ(PC)地区でも石灰岩含有量の高いレオウ村に位置し、82 ヘクタールを所有する畑で自家栽培から瓶詰めまで一貫して自家で行うプロプリエテール・コニャックです。
2020年1月の初訪問での蒸留期では年間7000本の少量生産の醍醐味を各所から感じ、新樽での熟成期間も半年〜1年と短く、テイスティングではPC地区らしいエレガントさ、ノンシュガー・ノンキャラメルの綺麗なブドウ本来のピュアな味わいと、伝統的コニャックらしいグランド・シャンパーニュ地区のような力強さも感じ取り ました。
フランス本国以外はロシア、ベルギー、オランダだけの少量輸出とのことでした。
輸入酒類販売業免許(卸売・小売・通信販売)取得以前の初訪問では2つのHéritage(エリタージュ)となる遺産原酒が田地商店(信濃屋)様を通してBAR DORASプライベートボトル(PB)としてアジア初上陸となりました。
また、2022年2月、フランスでは1日50万人超の感染者が出ていたコロナ禍での渡仏ではベルトラン家にも再 訪し、訪問客がほぼ来ない状況下により輸入を決めるカスクサンプルの事前リクエストでは素晴らしい原酒を8 種ご用意いただき、1994年ヴィンテージとの出逢いからシングルカスク/カスクストレングス(59.2度)をPBと して264本自社輸入し完売しております。
今年(2024 年)4月8日に訪問のアポイントメントを取り、訪問する前の週に2020年に初訪問した際にお会いし た優しいお婆様シモーネ・ベルトランさんが97歳でお亡くなりになりました。
シモーネさんが遺産として保持していた樽を初対面で特別にPB(Très Vieux Fûts/トレ・ヴュー・フ)となるお気持ちをいただいていた中で、お葬式を終えてすぐの訪問予約日ではお悔やみの言葉とお花を添えて伺いました。
尚、シモーネさんは今年9月にリリースしましたPC地区Château Montifaud(シャトー・モンティフォー)家のご息女で、ご結婚しシモーネ・ベルトランとなったご縁も初訪問の際お聞きして繋がりを知りました。
アポ取りから現地での対応をしていただく、シモーネさんのお孫になり家業を継いだテレーズ・ベルトランさんとアメリカ人の旦那様でベルトラン家の蒸留所長を担当しているトマさんのご夫妻には訪問日にお会いするまでシモーネさんのことで緊張していたのですが、供花も喜んでくださりいつも通りの温かい歓迎をいただきました。
Château Montifaud
渡航前のやり取りで再輸入へリクエストしていた味わいのリクエストから、前回リリースした原酒を決める8種のテイスティングを超え、今回は12種ものカスクサンプルが用意されていました。
早速のテイスティングで集中して向き合った結果、先ずは2つに絞れました。
その後見せていただいた今回152個となる樽の図面から、色々な2樽を選んでバッテッドした中で1992年と1994年のシングルカスクを合わせての同一の樽出し原酒と加水調整原酒の2つを選んだことをお聞きし、驚いたお2人から「この2つを選んだミラクルを信じられない!」と興奮したお言葉をいただきました。
これまで現地で1つ1つの原酒に向き合いテイスティングし、自らの舌を信じて決めてきたので嬉しい瞬間でした。そして、前回の1994シングルカスク/カスクストレングスの味わいと対比する1992と1994のアッサンブラージュと度数調整させて生まれるフランスの伝統的芸術と技術が表れた原酒に決定となりました。
原酒決めの後はベルトラン家でもアポ取りの際に「テイスティングを終えたらランチも一緒にしましょう」とお気持ちをいただいていて、3人で和気藹々の時間を過ごして美味しく昼食をいただきました。一緒に食事をするのは今回初めてでしたが、ワインを飲みながら食事をすると距離が近くなり、自然と知らないことが会話になります。
お2人は学生時代に海外旅行先のコロンビアで出会い恋に落ち、その後結婚したことや、テレーズさんはなんと来月歌手デビューしてファーストアルバムをリリースするなど、ルックスも弟のサミュエル・ベルトラン同様にモデル顔負けの姉弟と、テレーズさんと結婚してアメリカから移り、マニアックに追究しながらベルトランのコニャックを真面目に造っている真摯なトマさんの優しさをより知ることが出来ました。
今年は49日間の長い渡欧から4月18日に帰国しました。現地で決めた幾つもの原酒から順序を立てて、出荷前に商品代すべてを支払う時期をベルトラン家にも伝えながら、7月1日にボトリングと出荷となり、現在船が喜望峰ルートにより輸送期間の延長や遅れもあり9月12日に東京入港となりました。通関されて輸入許可が下りて9月24日に東京湾岸倉庫へ商品を引き取りに行き、秋に合う味わいから倉庫で約2ヶ月ゆっくりと時を待ち、ここで発売となりました。
◆テイスティング・コメント◆
ベルトラン家が栽培から蒸留、熟成を経て、1992年と1994年の2樽をバッテッドした“ダブル・バレル・セレクション”。分かり易くウイスキーに例えればブレンデッド・ウイスキーとバッテッド・モルト・ウイスキーの違いのよう、ダブル・バレル・レセクションは2つだけの原酒をバッテッドしたコニャックです。
長き伝統を大切にしているからこそ、若い世代によりスタイリッシュな最先端も取り入れることが出来る温故知新を感じる造り手のスタイルが味わいに表れています。
訪問時に外壁が黒くなるほどしっとりした湿度の高い熟成庫に入った瞬間を思い出す、蒸発したコニャックの成分により生まれるキノコの香りがコニャックにも表れていて、フィグ、クローブやナツメグのスパイス、オーク、レザー、クルミ、ダークチョコレート、バニラ、コーヒー豆、紅茶葉やパイプの葉の香りが重なり合います。
シングルカスクのピュアさに比べ、2つが合わさることで生まれる複雑さや厚みが香り同様味わいにも乗り、余韻には丁寧に造られたブドウ本来の味わいがしっかりと残ります。多くを混ぜるとバランスが取れる反面それぞれの個性が隠れる中で、2つだけで造る難しさをプラスに変えた消去法の美学が表れる高い技術です。
コニャックは水と相性が悪くボトリング直前に加水するとエグ味が出てしまう点に関しても、2つの樽を合わせた後2019年に蒸留水で加水してボトリングまでの5年間でコニャックと水の分子がゆっくりと一体化されてエグ味なく纏まっています。
1+1が3にも4にもなるアッサンブラージュの伝統芸術は秋から冬へ向かう気候を連想するコニャックで、夜長に一飲みごとに深まる味わいに合うシガーと共にお愉しみもおすすめします。
(Commented & tasted by Yasutaka NAKAMORI 氏)
【Cognac BERTRAND】について
1731年よりブドウ栽培を始めた長い歴史を持つベルトラン家はコニャック地プティット・シャンパーニュ地区レオウ村に位置し、82ヘクタールの畑を所有してます。
ご息女のテレーズ・ベルトランさんからSNSの申請をいただいき、「いつコニャックへ来ますか?その際には是非いらしてください」とメッセージいただいたご縁から、2020年1月に初訪問してきました。この渡仏期間では15軒のコニャック農家にアポイントを取って廻ってきましたが、こういったご縁から新規訪問が6軒あり、初訪問ながらベルトラン家では遺産となる原酒を分けていただき、2021年即日完売しました2種類を日本にご案内の経緯となりました。
訪問時はちょうど蒸留期間中で香り高い蒸留所内をご案内いただき、年間7000本の少量生産の醍醐味を各所から感じ取り、テイスティングした際に是非日本にご紹介したい話もその場でまとまり、現在フランス本国以外はロシア、ベルギー、オランダだけの少量輸出の中、アジアへ初めての上陸となりました。(2021年時点)
質の高い石灰質土壌で育てられたユニ・ブラン種100%を原料とし、伝統的なシャラント式蒸留器で2回蒸留を行います。
新樽での熟成期間は半年〜1年と短く、プティット・シャンパーニュ地区の綺麗でエレガントなブドウ本来の味わいをピュアに感じ取れます。
レイモンドさんがシモーネ・ヴァレさんと結婚した1948年よりベルトランとしての蒸留も始まりました。
シモーネさんのヴァレ家は過去に2度DORASプライベートボトルとしてリリースした「ピエール・ヴァレ(シャトー・デュ・モンティフォー)」家のご息女で、両家共にプティット・シャンパーニュ地区の歴史あるコニャック農家でしたが、ご結婚しシモーネ・ベルトランとなったことも、昨年の訪問時にシモーネさんとお会いできた際にお聞きし、初訪問ながらご縁を感じました。
(1980年代までの薪を燃料とした蒸留から現在主流のガス式へ)
(写真:2020年1月訪問時)
東京・浅草に2005年4月開店。
※現在は建物解体、建設中のため休業しております。
リニューアルオープンは2025年5月頃を予定しております。
品揃えはコニャックだけではなく、シングルモルト、スピリッツ、リキュールの現地仕入れボトルや最新の話題作からオールドまでヨーロッパの洋酒文化に出会える幅広いボトル達。
また、オーナーバーテンダーの中森氏が現地で直接仕入れるやアンティーク調度品やマスター自ら作り上げるバーフードはその魅力を更に盛り立てます。
"DORAS"とはゲール語で「扉」を意味し、その”扉”の中のヨーロッパ各国に居るような非日常的な雰囲気を体感できる名店は、多くの飲み手やバーテンダー、ゲストを惹きつけて止みません。
中森氏が運営するオンラインショップは ≪コチラ≫よりご確認くださいませ!
-Mr.Yasutaka Nakamori-
(中森保貴氏)
BAR DORAS オーナーバーテンダー。
信濃屋での勤務を経て、その後、都内数軒のBARでバーテンダーの研鑽を積む。
毎年、欧州各地を訪ねて、生産者だけでなく、生産地、その街、その文化を吸収し、BAR DORASを通して、ヨーロッパ各国の文化や伝統を伝道しています。
また、コニャックはもちろんのことシングルモルト、カクテルは言うに及ばず、バーフードや日本文化への見識・こだわりも深く、常に探究心を忘れないプロフェッショナルバーテンダーの一人です。
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